目次
整形外科とは、身体運動に関わる骨(軟骨)・関節・筋肉・靭帯・神経などの「運動器」に対して、外傷や障害による損傷、疾病の診断および機能的改善を最重視して治療することを専門とする診療科です。
一般整形外科では、「スポーツによる障害」「交通事故や労働災害での外傷・捻挫・骨折」はもちろん、「加齢に伴う腰痛・関節の痛みなどの変形性疾患」「骨粗鬆症」「関節リウマチ」「痛風」「運動器の腫瘍・先天異常」なども取り扱い、新生児からご年配の方まで幅広い患者層を対象に診療しています。
痛みや腫れ・しびれなどのつらい症状は、学業・仕事だけでなく、日々の生活に影響を及ぼし、QOL(生活の質)の低下を引き起こします。
当院の医師は全員「整形外科専門医」です。私たちは整形外科の診療・治療・リハビリテーションを通して、皆様の生活をサポートしていきます。
「お身体に痛み・腫れ・しびれなどがある」「動かしにくい部位がある」など、運動器官で気になることがありましたら、お気軽にご来院ください。
整形外科で取り扱う症状には、主に以下のようなものがあります。気になる症状が現れましたら、お気軽に当クリニックまでご相談ください。早めに治療を開始することで、機能改善や手術の回避が期待できます。
整形外科でよく診られる主な疾患を部位別にご紹介します。
骨代謝のバランスの乱れが原因となって、骨の量が減って脆くなり、転倒など些細なことで骨折しやすくなる病気です。閉経後の女性に多くみられることから「高齢女性の病気」と思われがちですが、妊娠・授乳後の若い女性や、男性にも発症します。発症しても自覚症状はなく、静かに進行し、骨折して初めて痛みが現れます。発症すると、特に背骨・太ももの付け根の骨が折れやすく、これらは「寝たきりの原因」となるため、早期発見・早期治療が大切です。X線検査(レントゲン検査)・超音波検査(エコー検査)・血液検査などから骨密度を調べて診断します。骨量の増加を目指した食事療法・運動療法を基本治療として、必要に応じて薬物療法を併用します。
自己免疫疾患のひとつで、手足の関節に痛み・腫れが生じる病気です。初期症状として、寝起きすぐ(30分程度)だと、手が動かしにくいなど「朝のこわばり(違和感)」が有名です。進行すると、関節の変形・可動制限が起こり、日常生活に支障を来します。中年以降の女性に多くみられますが、男性にも発症します。なお、親・兄弟姉妹に関節リウマチ患者さんがいる場合では、発症リスクが3~4倍高まるという報告があります。診断はX線検査・超音波検査・血液検査などの結果から総合的に行います。抗リウマチ薬を中心とする「薬物療法」を基本として、機能改善を目的としたリハビリテーションを併用し、重度の関節変形・破壊がある場合には「人工関節置換術」「関節固定術」などの外科的手術を検討します。近年は診断基準が新しくなったことで早期発見がしやすくなり、新薬の開発により関節破壊を抑制して寛解の維持が期待できる病気に変わってきています。
過剰に増えた尿酸(=老廃物)が結晶化して、主に足の親指の付け根や足首の関節に沈着した後、突然はがれ落ちる際に激しい痛み・腫れが現れる病気です。かつては「ぜいたく病」とも呼ばれていましたが、食生活の欧米化に伴い、近年の患者数は推定約100万人、予備軍を含めると約1,000万人にも上り、「生活習慣病」のひとつとなっています。発症背景には「高尿酸血症(血中尿酸値が高い状態)」があり、さらに遺伝素因、高血圧、過剰なアルコール摂取習慣・肥満など生活習慣の乱れが要因となり発症するため、患者様の約95%は30代以降の男性であり、昨今のコロナ禍の長期化により顕著に増加傾向にあります。症状や血液検査・関節液検査などから総合的に診断し、生活習慣の見直し・薬物療法によって尿酸値を適正にコントロールするよう治療を進めます。なお、激しい痛み(痛風発作)は1日程度で落ち着きますが、痛みが落ち着いても、関節に結晶化した尿酸塩が付着している限り、痛風発作の再発や腎機能の低下・脳血管障害・虚血性心疾患などの合併症を引き起こしやすいので、放置せずに医療機関を受診することが大切です。
頚椎とは、脊椎(せきつい:背骨)のうち、頭蓋骨に繋がる首部分のことです。
頚椎(首の骨)は7つの「椎骨(ついこつ)」とその間にあるゼリー状のクッション的役割を持つ「椎間板」から構成されています。頚椎はボウリングの球くらいの重さの頭を支え、さらに体と繋ぐ役割から、構造上負担がかかるため、加齢や怪我などにより変形しやすい部位です。脊椎の中には大事な神経(脊髄:せきずい)が通っているため、障害の影響が全身に及ぶ場合もあります。
一般的に問診・自覚症状、X線検査(レントゲン)・MRI検査などの画像検査から総合的に診断します。治療の基本は保存的治療であり、痛みの強いときは消炎鎮痛剤などの薬物療法、注射療法、装具療法を併用して、まずは首の安静保持に努めます。その後、痛みが落ち着いてきたら、温熱療法・運動療法などのリハビリテーションを実施します。なお、「症状の程度が非常に強い」「歩行障害・排尿障害など全身に影響がある」という場合には外科的手術を検討することがあります。
椎間板の中央にあるゼリー状組織(髄核:ずいかく)が外に飛び出すことにより、神経が圧迫される病気で、30代~50代に多くみられます。主な原因は加齢による頚椎椎間板の変性ですが、首に負担のかかる姿勢での作業・スポーツなども発症のきっかけとなります。圧迫される部位(脊髄/神経根)によって症状に違いはありますが、首・肩・腕の痛み・しびれ、箸が使いにくくなる、足がもつれるなどの症状が現れます。また、首を後ろや斜め後ろに反らすと、痛み・しびれが増す特徴があります。
徐々に椎間板の水分が減少して変性を起こし、クッション機能が失われることで、首に痛み・違和感が現れます。首を前後に曲げたりひねったりすると痛みが強くなる傾向があります。加齢・外傷による変性が発症背景にありますが、長時間前かがみになってパソコン作業をするなど、首に負担のかかる姿勢や動作を毎日繰り返すことも発症に大きな影響を与えていると考えられています。
名前の通り、頸(首)・肩・腕にかけて痛み・しびれ・だるさ(倦怠感:けんたいかん)・脱力感・冷感などの症状が現れる病気のうち、原因が特定できないものの総称です。長時間のパソコン作業など、上肢(上半身)の筋肉疲労(肩こり症状)を伴う環境下で起こりやすいとされています。原因に繋がる環境の見直しや作業制限を第一に行い、筋緊張を和らげるために首・肩へのストレッチ・温熱療法を併用することがあります。
中高年に多くみられ、首から手にかけて痛み・しびれが現れる病気で、首を後ろに反らせると痛みが強くなる傾向があります。「頚椎症」とは、加齢・繰り返される頚椎への負担から骨棘(こっきょく:骨のとげ)や椎間板の隆起が起こり、神経を圧迫することによって引き起こされる病気です。頚椎にある神経には、脊柱管の中を通る「脊髄」と、その左右にある「神経根」があり、圧迫される神経によって「脊髄症」「神経根症」に分類され、症状が出現する範囲などが異なります。
脊髄が圧迫されることで、肩~手に痛みやしびれが生じる、「お箸の使用」「ボタンのはめ外し」「字を書く」などの動作がしにくくなるといった症状に加えて、重症化すると全身に影響が及びますこともあります。足がもつれる・階段昇降の際に手すりが必要となる歩行障害や、頻尿・残尿感などの膀胱直腸障害が現れた場合には、すみやかに外科的手術を検討します。
神経根の圧迫が原因となるものです。神経根は脊髄の左右にあるため、通常、圧迫は片側に起こり、症状も片側だけに現れます。
むち打ち症は、「頸部外傷の局所症状」の俗称です。車にヘッドレスト(座席の背もたれ部分にある枕のような部分)が標準装備されていなかった1960年代以前、車の追突・衝突事故の際に「首が鞭(むち)を打ったようにしなったこと」に由来しています。ヘッドレストが標準装備された現在では、主に「頚椎捻挫(けいついねんざ)」を意味して使われることがあります。
頚椎捻挫では、首から肩にかけての痛み・可動域制限・頭痛などの症状が現れます。主な原因は交通事故のほか、ラグビー・柔道などのスポーツによる頚椎の筋肉・靭帯の損傷です。発生直後では消炎鎮痛剤などの薬物療法と共に首の安静を図り、症状を落ち着くのを待ちます。その後、牽引・温熱・ストレッチなどのリハビリテーションを行い、機能改善・回復を目指します。
肩関節は、上腕側の骨頭(球状の骨)と肩甲骨の関節窩(かんせつか=骨頭の受け皿となる骨)から構成されています。小さいお皿に大きなボールが乗っているようなイメージで成り立っており、肩関節は周囲の筋肉・腱などの組織によって支えられていることで、安定性が保たれています。そのため、加齢による老化・使い過ぎ・怪我などが原因となり、肩関節の損傷や関節炎が起こりやすくなっています。診断は、問診・視診・触診、超音波検査(エコー検査)・X線検査など総合的に行います。肩関節の安静を図りつつ、痛みが強い急性期には消炎鎮痛剤などの薬物療法や注射療法などを併用します。痛みが落ち着いたら温熱療法・運動療法などのリハビリテーションを実施することがあります。また、保存的治療で効果が不十分な場合には外科的手術を検討します。
肩関節周囲炎とは、肩関節の動きが極端に悪くなっている状態であり、肩関節を動かすときに痛みが現れます。進行すると、着替え・洗顔・寝返り、腕を背中側に回したり肩を上げたりする動作などが難しくなり、QOL(生活の質)が低下します。なお、40代で発症すれば「四十肩」、50代で発症すれば「五十肩」と呼ばれますが、名前以外の違いはありません。原因は、加齢による肩関節周りの筋肉・靭帯・骨など組織の炎症です。炎症が進行すると、関節の動きをよくする「滑液包(かつえきほう)」や、関節を包む「関節包(かんせつほう)」が癒着して硬くなるため、肩の可動域(動かせる範囲)が非常に狭くなります。
腕を動かすときや夜間に痛み、肩を動かしにくくなる、腕を上げるとギシギシ音がする、力が入らないなどの症状が現れます。利き腕側の肩に起こりやすく、40代以上の男性に多くみられます。手を付いての転倒、肩を強打などの怪我、肩の使い過ぎによって、肩の筋(腱)が切れたり傷ついたりすることが原因となりますが、50代以降では老化による自然損傷・断裂も起こり得ます。1~2週間程度、三角巾で患部を安静にし、痛みが強いときは消炎鎮痛剤などの薬物療法を併用します。痛みが緩和されたら肩回りの筋肉のリハビリテーションを実施します。ただし、損傷具合によって外科的手術が必要となることもあります。
野球の投球、テニスでのサーブ・スマッシュなど手を頭上に上げる動作(オーバーヘッド動作)を繰り返すことにより炎症が起こるため、オーバーヘッド動作時に強い痛みや「ゴリッ」として肩が外れそうな感覚が現れます。また、腕を下にした状態で肩を上から押さえると、圧痛があります。主な原因は、肩関節にある軟骨(関節唇)が外れて損傷することです。痛みの強い急性期は、腕を上げる動作を避けて患部を安静にしつつ、消炎鎮痛剤などの薬物療法・注射療法を併用し、症状が落ち着いてきたらリハビリテーションを実施します。ただし、損傷の状態、患者様の年齢、活動性により、外科的手術を検討することがあります。
「肩凝り」とは病名ではなく、一般的に首~肩、背中にかけて、慢性的な痛みや筋肉の張り・凝るような感じが現れる症状のことです。症状の強さには個人差があり、頭痛・吐き気を伴う場合もあります。首や背中が緊張するような姿勢での長時間作業、猫背・巻き肩、運動不足(なで肩)、ストレス、冷房などがきっかけとなって発症し、解剖学的には首の後ろから肩・背中にある「僧帽筋(そうぼうきん)」を中心とする筋肉群のうっ血(血流不良)・むくみなどが原因となります。また、高血圧、更年期障害、眼精疲労など他の疾患に伴って、肩こり症状が現れることがあります。明らかな原因疾患がある場合にはその治療を行い、特になければ筋肉の血流を良くするためのマッサージ、温熱療法、運動療法などのリハビリテーションや消炎鎮痛剤などの薬物療法を実施します。
肘関節は、肩甲骨に繋がる「上腕骨」と小指側の骨「尺骨(しゃっこつ)」、親指側の骨「橈骨(とうこつ)」の3つから構成されており、他の関節と同様に関節内の表面は滑らかな軟骨で覆われています。肘には様々な筋肉がついており、肘を曲げる(最大角度:約140度)、手を外側・内側に回す、ものを持ち上げるなど、日常生活において重要な役割を果たしています。同時に、負荷がかかりやすい部位でもあるため、ひとたび筋肉・筋・腱の付着部などに障害が発生すると痛みが現れます。また、スポーツ時のボールを投げる、ボールを打つ動作では、特に「使い過ぎ(オーバーユース)」による組織損傷が起こりやすく、重症化すると、長期休養だけでなく手術が必要となることもあるので、早期発見・早期治療が大切です。
上腕骨内側上顆炎(じょうわんこつないそくじょうかえん)とは、手首を手のひら側に曲げる腱(上腕骨内側上顆部)に炎症が起こり、肘の内側に痛みが現れる疾患です。
手首を内側に曲げるような動作を繰り返すことによる「過剰負荷」が主な原因となるため、きっかけによって、「野球肘」「ゴルフ肘」などと呼ばれますが、テニスのフォアハンド、やり投げなどのスポーツ、タイピングなどでも発症します。早期に発見できれば、患部の安静・薬物療法などの保存的治療で症状の改善が期待できますが、放置して重症化すると外科的手術や数か月~数年の長期休養が必要となり、選手生命の危機に繋がることもあります。痛み・違和感がある場合には、早めに医療機関を受診しましょう。
リトルリーグに入っている成長期のお子さん(特に投手)に多くみられる、ボールの投げ過ぎが原因となり、肘を痛めるスポーツ障害のことです。主な症状には、投球時・投球後に肘が痛む、肘が動かしにくい、肘が伸ばせない(ロッキング)などがあります。野球肘による痛みは「肘の内側」に発生するケースが多いのですが、外側や後ろ側に発生する場合もあります。なお、原因には「肘の使い過ぎ」のほか、成長期ならではの「未成熟な骨(成長軟骨)の存在」が発症要因として深く関係しています。
ゴルフを楽しむ中高年に多くみられます。直接の原因は手首中心の無理なスイングを繰り返すことによる「過度な負荷」であり、さらに加齢に伴う「腱の弾力性低下」も要因となります。
テニス肘は30代~50代のテニス・バドミントン愛好家に多くみられます。正式には「上腕骨外側上顆炎(じょうわんこつがいそくじょうかえん)」であり、肘の外側に痛みが現れ、手を動かしていないときには痛みが現れません。
主な原因は、使いすぎによる「過剰負荷」であり、さらに加齢に伴う「腱の弾力性低下」によって、肘外側の上腕の骨と腕の骨を繋ぐ腱(短橈側手根伸筋)が炎症すると考えられています。なお、症状はラケットを握って行うスポーツ以外で「物をつかんで持ち上げたり振ったりする」「雑巾を絞るなどの動作」「パソコン作業時」に出現することから、運送業者・交通整理員・料理人などの職業の方、主婦の罹患も多くみられます。
「手」は、指先から手首までの部分を意味し、指部分の「指骨(しこつ)」、手のひらの「中手骨(ちゅうしゅこつ)」、手首の「手根骨(しゅこんこつ)」から構成されています。
また、手首は前腕と手のひらを繋ぐ部分であり、手根管と前腕の尺骨・橈骨から構成され、「手関節(しゅかんせつ)」とも呼ばれます。
手は「つまむ」「握る」「押す」「引く」「たたく」「回す」など、日常生活において何をするにも欠かすことのできない重要な役割を担っているため、必然的に負荷がかかりやすい部位です。骨・関節、靭帯、腱、腱鞘(けんしょう)に炎症が起こると、痛み・しびれなどの症状が現れます。治療の基本は局所安静・ステロイド注射などの保存的治療となりますが、保存的治療を行っても症状が改善せず、日常生活に支障を来す、再発を繰り返すなどの場合には手術を検討することがあります。
手首の付け根にはトンネルのような空間「手根管」があります。手根管症候群とは、手根管の中を通る神経(正中神経:せいちゅうしんけい)が圧迫されることによって、手の指のしびれ・痛みが現れる疾患で、手を振る・指の曲げ伸ばしで症状が軽くなる特徴があります。症状は中指から始まり、最終的に親指~薬指(中指側半分)までの3本半の指に痺れ・痛みが現れます。ひどくなると、親指と示指(人差し指)で作るOKサインができなくなったり、細かいものがつまめなくなったりします。妊婦さん(特に出産期)・更年期女性の発症が多く、女性ホルモンの乱れによる腱鞘のむくみが発症に関係していると考えられています。そのほか、怪我・腫瘍・手の使い過ぎ・透析患者さんなどでも発症がみられます。
「弾発指(だんぱつし)」とも呼ばれる、手指の腱鞘炎(けんしょうえん)です。
指を曲げる屈筋腱(くっきんけん)と腱を押さえるトンネルのような靭帯性腱鞘の炎症によって、指の付け根に痛み・腫れ・熱感などの症状が現れます。特に症状は中指・薬指・親指に現れやすく、寝ている朝方に強く症状が現れ、手指を使う日中になると症状が軽減することも少なくありません。進行すると、指の曲げ伸ばしがスムーズに行えず、引っ掛かって伸ばせなかったり、伸ばそうとすると急に指が伸びたりする「ばね現象」が現れます。主な原因は「指(手)の使い過ぎ」ならびに「女性ホルモンの変化」とされ、妊娠中・授乳中や更年期女性、主婦に多くみられますが、男性の発症、関節リウマチ、糖尿病、透析患者さんにも発症しやすい傾向があります。痛み・こわばりには患部の冷却・温熱が効果的です。
母指CM関節とは、親指の付け根と手首にある小さな関節で、「物をつまむ」「手を開く・閉じる」「回す」「ねじる」などの動作に重要な関節です。「変形性関節症」のひとつであり、親指は他の指よりも使用頻度が高いため、更年期以降の女性では関節軟骨の炎症を起こしやすく、40代~70代の更年期前後の女性に多くみられます。母指CM関節の炎症により、痛み・腫れが現れます。初期では瓶を開けるなど親指に力を入れる動作で、だるい・ピリッとした痛みが現れるだけですが、進行すると、CM関節がずれていき、腫れることで親指が開きにくくなったり、CM関節の変形により親指の付け根関節が反る「スワンネック変形」が起こったりします。主な原因は、使い過ぎ(負荷の蓄積)、加齢、女性ホルモンの変化です。できるだけ手を使わず安静にすることで、炎症が治まり、痛みが落ち着きます。
変形性関節症のひとつで、主に人差し指から小指の第一関節(DIP関節)の手の甲側に2つの結節(こぶ)ができる病気です。関節リウマチと似ていますが、へバーデン結節では指先に近い第一関節だけに腫れ(ペンダコのような感じ)・赤みが現れます。また、粘液嚢腫(水ぶくれのようなふくらみ)、ジンジンする違和感、痛みがみられ、進行すると痛みで手を強く握ることが難しくなります。今のところ原因は明らかになっていませんが、発症者の多くは40歳以上の中高年女性であり、さらに家事・仕事でよく手を使う傾向にあることから、「指の使い過ぎ」「女性ホルモンの影響」が発症要因として考えられています。
腰椎とは、脊椎の中で肋骨(ろっこつ)の一番下~お尻あたりまでの部分(腰部)で5つの骨から構成されます。腰は上半身を支え、下半身からの衝撃を受け止める役割のほか、曲げる・ねじる・反るという動作を可能にしているため、負担がかかることで加齢・怪我によって変形しやすい部位となります。
近年、男女共に腰痛で悩まれている方は非常に多く、国民病のひとつとなっていますが、実は「腰痛」とは正式な病名ではありません。腰部の痛み・しびれが現れる症状の総称であり、痛み・しびれを引き起こす原因となる疾患が存在します。整形外科では自覚症状・問診に加え、X線検査(レントゲン)・CT検査・MRI検査などの画像検査から総合的に診断しますが、腰痛の原因を特定できないケースも少なくありません。
治療の基本は保存的治療で、痛みのある急性期は局所安静と共に、消炎鎮痛剤などの薬物療法、注射療法を併用することがあります。強い痛みが落ち着いてきたら、温熱療法・ストレッチ・超音波治療・運動療法などのリハビリテーションを実施します。
なお、安静にしても痛みが続く、症状が悪化した、発熱、足がしびれて力が入らない、尿漏れなど排尿・排便障害がある場合には、重大な疾患・怪我が原因となっている可能性があるため、すみやかに医療機関を受診しましょう。
突然、激しい腰の痛みが現れる疾患で、いわゆる「ぎっくり腰」です。急に重たいものを持ち上げたとき、体をねじったときに発症しやすい傾向がありますが、起床直後など何もしていないときに発症することもあります。はっきりした原因がないケースが多々あり、主に加齢による腰椎・周辺組織(椎間板・関節・筋肉・靭帯)の損傷が発症要因とされています。また、「発症から4週間未満のもの」と定義され、通常1~2週間で自然に改善していきますが、発症を繰り返すと慢性腰痛に移行する場合があります。
急な腰痛が起こったら、まずはエビのように膝・腰を曲げた体勢で安静にすると良いでしょう。お手持ちの痛み止め・湿布などがあれば使用しても構いません。なお、長い安静は逆に回復を遅らせる傾向があるので、痛みがある程度治まったら、できるだけ「いつも通りの生活」をしましょう。ただし、なかなか痛みが改善しない、下半身がしびれている、安静にしていても痛い、排尿障害などの症状が現れている場合には、すみやかに整形外科をご受診ください。
画像検査をしても痛みの原因となるような「明らかな異常・疾患が認められない腰痛」のことで、通常、神経症状(神経痛・しびれ・感覚異常など)や排尿障害などを伴いません。中高年だけでなく若い方にもみられ、腰痛を訴える方の約85%を占めます。症状と画像検査の結果が一致しないケースが多く、原因の特定が難しいため、慢性化しやすく治りにくい傾向があります。発症要因には、腰への負担をきっかけとする「髄核(椎間板の中央にあるゼリー状組織)のずれ」と、「心理的ストレス」が関係していると考えられています。また、痛みへの不安・恐怖、「治りにくい」という情報から、ついつい過度に腰をかばってしまう「回避的思考」が生まれやすく、かえって悪化や再発に繋がります。そのため、安静は2~3日程度に留め、痛みが強い急性期を過ぎたら、なるべく活動的に過ごすことがポイントです。髄核のずれを放置すると、より大きくずれて、強い痛みを伴う「ぎっくり腰」「椎間板ヘルニア」の発症リスクが高まります。
腰椎の椎間板内の髄核が後ろに飛び出して(=ヘルニア)、神経を圧迫する病気です。主な症状は腰やお尻(臀部:でんぶ)の痛み・痺れで、重いものを持ったり前かがみになったりすると、症状が強くなる特徴があります。神経圧迫が進行すると症状が次第に片側の足に広がり、動けないほどの激しい痛み・しびれが2~3週間程続きます。20代~40代の発症が多く、男性は女性の約2倍の発症頻度となっています。
ヘルニア状態となる主な要因は加齢による変性・断裂であり、さらに悪い姿勢での作業・喫煙が発症リスクを高めます。また、痛みから逃れるため、体を傾けることが続くと背骨が横に曲がる「疼痛性側弯(とうつうせいそくわん)」、つまずきやすくなるなどの歩行障害が現れるほか、重症化すると排尿・排便障害を起こす場合があります。画像検査で椎間板の突出がみられても、無症状であれば基本的に問題ありません。
坐骨神経(ざこつしんけい)は人体の中で一番太い神経で、腰・お尻から太ももの後ろ側、ふくらはぎを通り、足先まで繋がっています。この神経の通り道で圧迫などの障害が起こることにより、電気が走ったような痛み、びりびりするしびれ、麻痺(まひ)などの症状が現れます。なお、神経障害の原因となる疾患には、腰椎椎間板ヘルニア・腰椎椎間孔ヘルニア・腰椎分離すべり症・腰椎変性すべり症など腰椎の疾患のほか、腫瘍、子宮筋腫、変形性股関節症による関節炎、帯状疱疹などがありますが、検査で原因を特定できないケースもあります。原因疾患に応じた治療を進める一方で、痛みが強い場合には、診断前に薬物療法を実施することがあります。
脊柱管とは、背骨の中心にある脊髄の神経が通るトンネルのことです。脊柱管狭窄症は、腰の脊柱管が狭くなることが原因となり、神経圧迫や血流低下を引き起こす病気です。中高年の発症が多く、歩行時に腰からお尻・足にかけて、痛み・しびれが現れます。症状は「後ろ反り」「立つ姿勢」「歩行時」に現れ、自転車に乗る・押し車で歩くなど「前かがみ」の姿勢では症状が落ち着く特徴があります。「腰椎椎間板ヘルニア」は、腰部脊柱管狭窄症とは逆で「前かがみ」のときに症状が現れます。脊柱管が狭窄する主な原因は、加齢に伴う腰椎の変性です。歩行障害が進行して日常生活に支障を来している場合には、外科的手術を検討することがあります。
腰回りの筋肉や筋膜への負担が原因となって起こる腰痛です。腰椎椎間板ヘルニア・腰部脊柱管狭窄症などが原因となる他の腰痛と違い、しびれ・感覚異常などの神経症状を伴わず、X線検査・MRI検査では骨や神経の異常がみられないという特徴があります。野球・ゴルフなどでの前傾姿勢の保持、バスケットボール・バレーボールなどでのジャンプ着地の衝撃といった「スポーツ時の急激な負荷」が主な要因ですが、長時間のデスクワークや中腰作業など、慢性的な疲労も発症のきっかけとなります。
「股関節」は脚(あし)の付け根に位置する、体の中で一番大きな関節です。股関節は大腿骨(だいたいこつ:太ももの骨)の上端にある球状の「骨頭(こっとう)」と、骨頭の受け皿をしている「寛骨臼(かんこつきゅう)」、骨頭と寛骨臼が接する部分の「軟骨」から構成されます。股関節は、肩と腕の付け根の関節と同じように、ボールと受け皿のような関係となる「球関節」であり、足を前後左右に動かせる自由度の高い関節です。
ひとたび股関節に異常が起こると、起立・歩行など日常生活への影響が大きいものとなるため、股関節や足の付け根に痛み・しびれなど異常を感じたときは、すみやかに整形外科を受診しましょう。症状を和らげる対症療法と変形の進行を押さえる保存的治療を中心に進めますが、症状が改善しない場合には手術を検討することがあります。
変形性股関節症は中高年の女性に多くみられる病気で、股関節の骨や軟骨のすり減り、変形が原因となり、股関節に痛みや可動域制限(動かしづらいこと)が現れる病気です。変形の原因には、加齢・体重増加・スポーツなどが要因となる「一次性」と、生まれつきの股関節脱臼(先天性股関節脱臼)や寛骨臼(臼蓋:きゅうがい)の被りが浅い(臼蓋形成不全)などの病気が原因となる「二次性」があり、日本では二次性が大半を占めます。初期症状には、歩き始め・立ち上がり時の足の付け根・太もも・お尻の痛みがあります。股関節の骨・軟骨のすり減りが進行すると、痛みが強くなり、長時間の歩行・立っていることが困難となるため、足を引きずりながら歩くようになります。末期では寛骨臼と骨頭の隙間が完全になくなり、寝ていても痛むなど常に強い痛みを感じる状態となります。痛みを緩和する薬物療法、減量、杖を突くなどの生活指導、股関節周りの筋肉を強化する運動療法といった保存的治療を基本としますが、できるだけ股関節へ負担がかからないよう生活することが大切です。
膝関節は、大腿骨(太ももの骨)・脛骨(けいこつ:すねの骨)・膝蓋骨(しつがいこつ:膝のお皿)の3つの骨と、大腿骨・脛骨を連結する繊維性の「靭帯」、膝関節に加わる衝撃を吸収するクッションのような柔らかい組織「半月板(はんげつばん)」、骨の表面を覆う「関節軟骨」から構成されています。これらの骨・軟骨・組織が正常に機能することにより、スムーズな膝の曲げ伸ばしを可能にしているため、膝関節に異常が起こると「歩く」「走る」「ジャンプする」「方向転換」といった足を使う動作が不自由となり、日常生活に大きな影響を及ぼします。診断は問診・触診、超音波検査・X線検査などの画像検査から総合的に行いますが、他の病気との鑑別にMRI検査や血液検査・関節液検査などを実施する場合があります。
治療の基本は薬物療法・装具固定・リハビリテーションなどの保存的治療となりますが、膝関節の損傷の程度によっては手術が必要となるため、膝に痛み・腫れがある、膝が外れるような感覚がある、膝を動かしにくいなどの異常を感じたら、お早めに整形外科をご受診ください。
膝関節の軟骨がすり減り、骨が変形することによって、膝に痛みが現れます。初期では、立ち上がる・歩き出しなど「動作を開始するときだけ」に痛みが現れ、少し休めば痛みは落ち着きますが、次第に階段の上り下り・正座が難しくなります。さらに進行すると、安静時でも痛み、膝が腫れて水が溜まったり、膝関節が変形してO脚(膝が外側に弯曲した状態)になったりして膝が伸びなくなり、歩行が困難になります。日本国内の患者数は約800万人で、男性と比べて女性は約4倍多く、高齢者になるほど罹患率が高くなる傾向があります。はっきりとした原因が分からず、加齢による関節軟骨の老化、遺伝子、骨粗鬆症、肥満、重度のO脚・X脚(膝が内側に弯曲した状態)、仕事・スポーツによる膝の酷使などの様々な要因が重なって発症するケースが多い一方で、骨折や半月板・靭帯損傷などの外傷、化膿性関節炎などの病気が原因となる場合もあります。
半月板は大腿骨と脛骨の間にある線維軟骨で、膝の内側・外側に一つずつあり、膝関節にかかる負担の分散や関節の安定化の働きをしています。膝に体重がかかった状態でひねったり、膝に強い衝撃が加わったりすることにより、半月板の断裂・損傷が起こります。半月板が断裂・損傷すると膝を動かすときに痛みや引っ掛かりを感じ、重症例では急に膝が動かなくなる症状(ロッキング現象)や、歩けないほどの強い痛みが現れます。また、関節内の炎症で関節液や血液が溜まり、膝が腫れることもあります。半月板の断裂・損傷の原因というと、「スポーツのときの怪我(外傷)」のイメージがあるかもしれませんが、加齢による半月板の変性でも起こります。なお、近年は半月板を残す治療が主流であり、薬物治療・装具療法・リハビリテーションなどの保存的治療を優先します。
前十字靭帯は、膝のひねり・前後のぐらつきを押さえる役割を担っています。前十字靭帯の損傷では、「バキッ」という断裂音が聞こえたり、関節内に出血(関節血腫)がみられたりする特徴があります。主な原因はスポーツ外傷(怪我)であり、他のプレーヤーとぶつかる、急な方向転換などで膝が内側にねじれることで、前十字靭帯が損傷します。受傷直後は痛みで動けず、しばらくすると動ける場合が多いのですが、後から腫れてきて膝の動きが悪くなります。前十字靭帯損傷では、改善の見込みなどの問題から保存的治療ではなく靭帯再建手術を選択するケースが多くみられます。
後十字靭帯は、膝が後ろ方向にずれないよう抑制する役割を担っています。後十字靭帯を損傷する主な原因は、スポーツ・交通事故などによって膝の前方向から強い力がかかることです。損傷すると、階段の下りやジャンプの着地などの際、膝が崩れるような感覚が起こります。治療の基本は保存的治療で、膝のゆるみが残るケースが中にはありますが日常生活において問題ありません。ただし、膝の不安定さ・痛みが残る場合には、前十字靭帯損傷と同じように再建手術を検討します。
脛骨結節(けいこつけっせつ:膝のお皿の下の骨)が出っ張ってくることによって膝の痛み・赤み・熱っぽさを感じる病気です。バスケットボール・サッカーなど膝をよく使うスポーツを熱心に行う成長期のお子さん(10歳~15歳くらい)に多く発症する、スポーツ障害のひとつです。スポーツ時には痛み、それ以外の時には痛みがなくなるという特徴があります。原因は「脛骨結節の剥離」です。子どもの骨には軟骨が多く存在し、成長と共に消失しますが、成長期は急激に軟骨が骨に変わる時期なので負荷に弱く、膝関節を屈伸する動作を過剰に行うことによって脛骨結節がはがれます。そのため、成長期が終わって骨になれば治癒するケースがほとんどです。しかし、痛みなどを我慢して成長期にスポーツを続けていると状態が悪化してしまうので、一時的にスポーツを休むことが大切です。
「足関節(そくかんせつ)」は、足首にある関節の総称であり、体を支える「脚」と地面に接する「足」を繋ぐ働きをしています。足関節や足の指に異常が起こると、「立つ」「歩く」「ジャンプする」といった動作が行えなくなるため日常生活に大きく影響を及ぼします。また、足は全体重がかかる部分なので、一時的な疲労・痛みを感じやすい部位でもあります。
生活指導・薬物療法・装具療法・運動療法など保存的治療を中心に行いますが、保存的治療では効果不十分なケースでは、外科的手術を検討します。足・足首の痛み・腫れ、足首を動かしにくいなど、足に異常を感じる場合には、お早めに整形外科をご受診ください。
※体外衝撃波は「取り扱い検討中」とのこと。取り扱う場合、内容修正予定
かかとに痛みが現れる病気の中で一番発生頻度が高く、中高年の女性やアスリートの方に多い傾向があります。足底腱膜とは、つま先からかかとまで縦に通っている扇状の繊維膜のことで、土踏まずのアーチを支えています。マラソン・ウォーキング・長時間の立ち仕事など、土踏まずに過度の負担がかかり、足底腱膜の付着部が炎症することによって発症します。保存的治療が基本となりますが、痛みが半年以上続くなど難治性の場合には「体外衝撃波疼痛治療」が一部の医療機関で行われています。
足の親指の先が人差し指の方に「くの字」に曲がり、親指つけ根の関節の次出したところが痛む病気です。くの字に曲がった部分が靴に当たって炎症を起こして、酷くなると、靴を履いていなくても痛むようになります。主な原因は、つま先が細く幅が狭いなど、足の形に合っていない靴による足先の圧迫で、特にヒールの高い靴は付け根への圧迫が増すため、親指付け根の変形が強くなります。また、若年層では偏平足(へんぺいそく:土踏まずが潰れ、足裏が平らになった足)の方、親指が人差し指より長い方、中年以降では幅の細い靴に加え、肥満・筋力低下のある方に発症しやすい傾向があります。変形・痛みの程度が軽ければ、筋肉へのストレッチや装具療法で改善可能ですが、痛みが強く、靴を履いての歩行が困難になると、手術を検討します。
捻挫(ねんざ)とは、足首を不自然な形にひねることによる軟部組織(骨以外の組織)の損傷です。主な症状には、外くるぶし前・下の痛み・腫れ・圧痛(押すと痛む)があります。足関節捻挫はスポーツ時の怪我で一番多く、日常生活でも階段の踏み外しや転倒などによって起こりやすい外傷です。捻挫と一緒に靭帯を損傷することが多いので、「足関節靭帯損傷」と呼ばれる場合もあります。足関節捻挫では、靭帯の損傷程度に合わせた治療となり、靭帯損傷が軽症であれば、受傷直後から約2~3日は応急処置として、患部の安静、氷による冷却、弾性包帯やテーピングでの圧迫、患部の挙上を行います。ただし、靭帯が部分的に切れている状態では約2~4週間ギプス固定を実施し、完全に切れている場合には外科的手術が必要となるケースもあるため、お早めに整形外科を受診ください。
アキレス腱は、ふくらはぎの筋力(腓腹筋:ひふくきん・ヒラメ筋)をかかとの骨に伝える役割を担っています。その名の通り、アキレス腱に炎症が起こることにより、歩き始め・運動時にふくらはぎ~かかとに痛みや腫れが現れ、陸上・剣道などのジャンプスポーツをされる方に発症しやすい疾患です。発症したら、過度な運動は一時的に中止し、安静・冷却など保存的治療を行います。
当院で行う主な検査には、以下のような検査があります。
患者様の症状に合わせて、実施します。
X線写真を撮影して、骨や筋の状態を確認する検査です。
当院では、デジタルX線検査装置を導入しているため、これまでのX線検査装置と比べて、被ばく線量が約50%低減されており、さらに高画質な画像が瞬時(数秒)に確認できるため、患者様の待ち時間の短縮に繋がっています。
骨密度(骨の強さを判定する指標)から骨粗鬆症(こつそしょうしょう)の程度を調べます。当院の骨密度検査(DXA)では、骨粗転症で骨折のしやすい腰椎と大腿骨近位部の2か所の骨密度の検査を行い、早期治療することで骨折の予防に努めます。
超音波を使った非侵襲性の検査となるため、患者様の負担を抑えて行えます。超音波検査は、レントゲン検査では写らない筋肉や靭帯・腱・軟骨などの損傷状態、内出血・炎症・癒着などを抽出可能です。また、関節リウマチでの滑膜の活動性の評価にも用います。
CTとは「コンピュータ断層撮影」のことで、人体の輪切り画像をコンピュータで再構成できます。CT検査は簡単に言うと「立体的なX線検査」であり、撮影した画像は3D画像にもなるため、単純X線検査と比べて、より詳細に骨の状態を確認できます。
一方、MRIとは「磁気共鳴画像」のことです。MRI検査は磁気の力を利用して撮影する検査なので、放射線被ばくはありません。X線検査・CT検査では描出しにくい、骨以外の軟部組織(神経・血管・靭帯・椎間板・半月板など)や、骨の内部の状態(出血・炎症など)も評価可能です。
※CT検査やMRI検査を実施する必要がある場合には、適宜対応病院をご紹介させていただきます。
そのほか、血液検査・尿検査など必要に応じて実施します。
整形外科での治療方法には、大きく分けて「保存的治療(手術をしない治療)」と「外科的手術」があります。
※体外衝撃波を取り扱う場合には、追記予定
保存的治療では、手術で直接原因を取り除くのではなく、症状改善や緩和を目指します。通常、緊急性がない場合、手術するほどではない症例、手術が適応とならない症状などでは、保存的治療を「治療の第一選択」として行います。
保存的治療には、以下のような治療があります。
保存的治療を行っても症状が改善しない、症状が強く日常生活に著しい支障を来す、保存的治療では症状の改善の見込みがないなどの場合には、外科的手術を検討します。
なお、当院では患者様の年齢・体力・どのレベルまでの回復を希望するかなど、患者様とよくご相談させていただいた上で選択しています。
※手術の必要がある場合には、適宜近隣の対応病院をご紹介させていただきます。